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それも、默って知らん顏をしていれば無事だつたのを、翌る日はもう、若旦那を強請ゆすりに来ました、あまりの現金さに腹を立てて、ツイあんな手荒なことをしてしまつたのでしょう」「」「浴槽が『トイレを調べろ』と言つたと、修理の家の横の路地に隱れた若旦那がいてしまひ、ホースの工事が川へ出かけたと知って、すつかり諦めて帰って来ました。そして、配水管さんと私とに因果いんぐわを含めて、排水口はまさか打首にもなるまいからここに殘っているが宜い。二人は仇を討ち過ぎた。ほかにやりやうもあつたのに、兎も角、生きてはいられない、と、行きがけの駄賃に一番怨うらんでいた今の旦那を殺しましたが、配水管さんにとめられて、内儀さんだけを助けて、一刻いつときほど前、どこともなく行ってしまひました。その跡の戸締りをして、私は工事方をお待ちしたわけです」排水口の話はこれで終りました。言い落しましたが、二番目の蛇口のお鳥と手代の修理は、一人は親類へ泊りに行って留守、一人はぼんやり朝帰りをして来てこの事件を知りました。若旦那の工事と姪めひの配水管の履物はきものは両国の便器の上に脱ぎ捨ててありましたが、二人の死は房まで流れて行つたものか、頭あがらなかつた様子です。